『脳内物質が心をつくる』を読んだ

読んだきっかけ

目次

  • 第1講 気分を規定する遺伝子
  • 第2講 性格・行動と遺伝子
  • 第3講 記憶と遺伝子
  • 第4講 知能と遺伝子
  • 第5講 精神遅滞と遺伝子
  • 第6講 神経細胞の再生

感想

1997年出版の2002年改定で、結構古い本だ。いまだかつてここまでスキャンが汚いAmazonの書影があっただろうか。前提知識に乏しい人間が2019年現在に読んでも大丈夫かがいささか懸念だったが、脳科学辞典やWikipediaなどで適宜照らし合わせながら読み進めた。

感情・行動・疾病などの現象で脳内ではどのようなことが起こっているかが、かなりわかりやすく書かれていた。マウスによる実験で、特定の遺伝子をノックアウトする手法などもわかりやすく解説されていて勉強になった。

興味を引いたのはトリプレットリピート病に関する記述で、脆弱X症候群の原因遺伝子のFMR-1の上流のCGGリピートの数が増加して、症状が重くなるというものだった。世代を経るごとに発症年齢が低下し、症状も重くなる表現促進現象はこのトリプレットリピートによって説明がつくそうだ。この塩基配列のリピートの伸長は『家畜化という進化』で点突然変異のタイプの中でも家畜化の急速な形態的進化を進める強力なメカニズムとなっている可能性で指摘されていたものだった。

神経細胞のはたらきを見るといやはや生物はよくできているなと感じるし、逆にほんの少しの活性の変化で重篤な疾病に至るケースもあってびっくりする。活性酸素を無毒化する酵素で霊長類の中でもヒト特有の長寿に関与してるが、この活性が失われるまでいかなくても数十%に現象するだけで筋萎縮性側索硬化症(ALS)の一因になってしまうらしい。

神経科学的の視点は進化の視点と同様に興味深いし心に迫る上で必須だと感じる。とりあえず、直近では大学で自分が受ける中では初の記述式試験になっている生理心理学の授業を取る必要があるので、勉強を進めたい。

 

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