発生、免疫、神経系など、生き物の話を読むのにハマっているのですが、必ず登場するワードがアポトーシスです。単細胞生物から多細胞生物になって、色々な細胞がうまく協働して一つの個体として成立しているわけなので、正常ではなくなった細胞などを積極的に死なせる仕組みがあるらしい、というのがこの本を読む前の理解だったのですが、ここらへんでしっかり概念を押さえておきたいと思って例のごとくメルカリで500円で買いました。「はたらく細胞」は「明るいディストピア」と称されることもありますが、アポトーシスのような全体としてうまく機能するために個々の細胞をうまく死なせる必要不可欠な機構の存在を見ると感慨深くなります。
安心と信頼の羊土社さんということで、原付免許集中マスター的なノリで重要な知見を乱暴に投げ込んでくる感じです。ふむ、やはり多細胞生物はなんかいい感じに細胞死をプログラムしているっぽいな、とアポトーシスへの理解に圧倒的な成長がありました。今見てるアルファベットが一体何だったのか、遺伝子の名前のなのかタンパク質の名前なのかこんがらがりながら、騙し騙し読み進めました。
細胞死完全に理解したからまとめようとしたら全然わからないので完全に理解したままにしておこう…
— たねのぶ (@mtane0412) May 23, 2020
いつものことですがまとめられるほど理解してないので箇条書きで。
用語整理
プログラム細胞死の研究から分子機構
アポトーシスの経路は複数ある
カスパーゼカスケード
アポトーシスの機構は進化的に保存されているが、それぞれの分子によるカスパーゼ活性化制御機構は種によって異なっている
神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病)は異常タンパク質が蓄積するコンフォメーション病だとする考えが有力になってきている
線虫の細胞系譜で決定されたシンプルな細胞死から、ミトコンドリアが関与するより複雑な細胞死の制御への進化は特に興味深いです。多細胞生物の細胞間の協働の中で、ATP産生だけでなく死ぬべきときに死なせる役目も負うなどマルチに活躍するミトコンドリアさん、何も生み出さずに死ぬこともできない僕。頑張っていきましょう。