初歩からの無職

Tinderで出会ったらいつの間にかアムウェイの説明会に連れて行かれていた

    前回の記事から爆裂右スワイプ続行中の出会い系アプリTinder。今回はいよいよアムウェイの勧誘にあってきました。

    経緯

    右スワイプで次なるマルチ勧誘を狙っていた種延。マッチした女性に連れられ、世田谷区のアッパーな感じのマンションで創作料理パーティーに参加。

    適当に今やってることとか海外のこととかを話すと、「権利収入について興味ない?」と家主の方から言われたので、来たなと。それはもう詳しくオナシャスですよね。

    この時点では「元手はいらない」「今やってる仕事をやりながらでもできる」「こんなに幸せ」という要点だけを伝えられます。プンプン臭うぜェー!!

    その料理パーティでは詳しく話すのあれだから後日話そうという感じで、雷雨や人身事故で混沌とした中、渋谷にて会ってまいりました。

    渋谷で説明を受けるニート

    開口一番「アムウェイって知ってる?」って言われたので、そりゃ知ってますよね。だって家に洗剤の空きボトルあったもん。いつから母親はアムウェイを捨て、ジョイ君に浮気するようになったのだろうか。やっぱ関西弁で除菌もできるからか。

    とはいえ、僕もネットで知っている情報以外は知っていないのでひとまずシステムを説明してもらう。

    アムウェイ製品はつまるところ、代理店や問屋を介さずにCMも打っていないので、その分製品に価格を転嫁できているのでいい製品が揃っているという説明を受ける。販売は基本的にはディストリビューターの紹介で会員になれば会員価格で購入可能で、ディストリビューターは自分の紹介で入会した人の購入ごとにボーナスを受け取ることができる。ボーナスはPV(Point Value)という値が設定されており、これは現在1PV=1.39円らしい。何PVを達成されるかでディストリビューター参加のグループの購入額の何%の売上がバックされるかが決定される。

    いわゆるねずみ講との違いは、あくまでブランチを切った人間が一番メリット得られる仕組みらしく、古参会員がひたすら新規会員から搾取をするシステムではないらしい。

    簡単な説明を受けて、とりあえず知り合いのオフィスで説明会があるから来る?と言われたので、当然面白そうなのでついていきます。

    謎のオフィスへ移動

    そんなわけで渋谷から移動。田園都市線は人身事故で停止中で、花金に世間に一矢報いた自殺者がいたのだろうか。なんとも虚しい気持ちになるが、おかげで電車もバスも麻痺していて2kmくらいだから歩こうとしていたら奇跡的にタクシーを拾えました。

    参加層が若い

    オフィスはビルの一室を借りたところで、どうやらアムウェイのグループが借りているらしく、5人ほどの若い人たちにむかって40代くらいだろうか、キレイ目でトーク力高そうなお姉さんがホワイトボードで図解しながら説明していた。

    参加している人はいずれも20代前半で、音楽やってる人だったり看護婦だったりフリーターだったり。みんなメモ帳を持ってきてて熱心にメモを取っている。なんか就活みたい。結構可愛い子やイケメンも多くてコミュ力が高そうである。割合としては紹介者も含めて女性が圧倒的に多い印象。

    スピーカーはやっぱうまい

    スピーカーのお姉さんはまぁトーク力がある人で、ところどころ冗談も交えながら軽快にトークを展開していっている感じ。徹底しているのは、一回につき5人ほどの人を相手にしているのだけれど、一人ひとりの愛称でちゃんと呼んでいる。僕だったら「たね」みたいな感じに。

    面白いのは実例を話すときに必ず実名をあげて紹介しているところだ、Aの知り合いのBのお父さんがCに紹介して…と、紹介される事例全てに名前がなかった人がいない。

    トーク内容はシステムのもっと突っ込んだ説明をしてくれることを期待したのだけれど、結局のところ「素晴らしい成功体験」を一貫して伝えようとしている。若者には結構突き刺さっていたようで、締めくくりにアムウェイで優れたディストリビューターが無料で招待される海外旅行のムービーを見せられて終了という流れだ。

    信用度をあげるための権威付け

    アムウェイのイベントに参加している大統領やハリウッドスターなどを紹介しています。このへんはアムウェイの企業規模から考えると不可能ではないんでしょうね。

    他にも「早稲田や青学で使われている教科書にもアムウェイのことが載っているんだよ」と言って本を見せてもらいましたが、著者が早稲田や青学で授業をしていた講師のようです。

    アムウェイは母体自体は非常に巨大で、日本アムウェイも渋谷に自社ビルを持っています。

    売上ではなく人数で目標を与える

    参加者にとにかく伝えられたのは「一ヶ月に5人に紹介できれば大成功」というミッション。これは以下のアムウェイのボーナス基準が元と思われる。

    達成した売上 売上からバックされるボーナス
    150万PV 21%
    100万PV 18%
    60万PV 15%
    36万PV 12%
    18万PV 9%
    9万PV 6%
    3万PV 3%
    0PV 0%

    「1PV=1円としたら、150万PVを達成した場合は21%の30万円が帰ってきますよ。」というのを最初のゴールとして設定して、「統計だと、15~20人を集めればいける。それだけ集めるのには5ヶ月くらい必要。一月あたり0~5人。」というロジックだ。

    僕は友達がいないのでこの時点でアムウェイとの親和性が皆無であることが露呈してしまったわけだが、周りのリア充っぽい可愛い子達には一月あたり5人の友達を紹介させるというのはそう高くないハードルに感じてるかもしれない。

    一応馬鹿にも説明しやすいように「1PV=1円」と簡略化して説明してくれたのだが、実際のところは1PV=1.39円なので150万PVを達成するということは208万5千円を売り上げろということである。達成できたらその分ボーナスも当然41万7千円だが、これを20人の紹介で達成するということは一人頭10万円は使わせろということなのだが、若い子達は理解できてねえんじゃないかなと思ってる。

    あと売上を達成したらずっと成功人生が待っているという感じの言い方だったが、システムを軽く聞いた感じそれはないはず。永続性の根拠として「日用品を売るから」という部分を強調していたが、つまるところアムウェイ製品を継続購入する人をうまく捕まえる必要がありそうです。

    アムウェイ製品の実演

    終了後は特に質問タイムもなかったので、紹介者に色々とシステムの質問をしてみた。やりたいかどうかを聞かれたけども「モノを見ない限りはなんとも言えないですねぇ」と濁したらなんとアムウェイ製品を実演してくれることに。

    アムウェイといえば洗剤、ということで洗剤を取り出す。家にあるボトルなので懐かしい。鏡の上にラー油を垂らし、市販の洗剤とどちらがよく落ちるかをテストする。

    amway-compare

    左がアムウェイ。右が市販洗剤。

    あらやだよく落ちるじゃない!アムウェイすごい!!

    だがちょっと待って欲しい。

    洗剤は水で薄めて使うものだよね

    アムウェイのディッシュドロップという製品は原液から8倍ほどに希釈して使うのが通常。対して市販の洗剤は原液を使用しています。

    市販の洗剤は水を含ませたスポンジに含ませることが前提です。アムウェイは水と洗剤ですが、市販洗剤は洗剤のみという実験なので、比較対象実験とはなっておらず、ただ単純に「洗剤で汚れ落とすためには水がいるよね」っていうことを示しているに過ぎません。界面活性剤のお勉強になりましたね。

    アムウェイの洗剤も普通に界面活性剤入っているので普通の洗剤と同じです。

    小学生並みの感想

    若者をターゲットにしていてうまいと思いました

    今回参加しているのはほぼほぼ20代前半なんですよね。年齢聞かれて「に、27です…。」っていう辱めを受けたわけですが、みんなフレッシュで素直な感じ。眩しいよ。

    来ていた若者の印象は、「金はないが夢があって、友達が多い」というまさに的確なターゲットなわけです。僕は多分金なさそうだから呼ばれたんだろうけど、ともかく若い子達に「人数さえ集めれば可能」という実現可能性を感じさせる目標を与えるのは上手だなぁと。今の時代だと僕みたいな友達いないやつでもSNSでなんとかなるわけですね。だからTinderでも多いわけだ。

    友達もいないしだるいので僕には無理だと思いました

    200万くらい売り上げて40万くらいのボーナスに全然心が揺れ動かないわけですね。どう考えてもだるそう。ギークコミュニティで交わされている儲け話に対してしんどそうだし、ワクワクもない感じ。

    アムウェイ系の人に限らず一般的には自分の人生をどう豊かにするかはものすごい原動力になるんだろうけど、僕はもう自分の人生をあきらめているので、特に家賃100万の家に住んでるとかの話に全く興味が湧かない。

    そもそも営業が絶対に自分にはできないからニートになった感じなので、完全にダメや。

    アムウェイはクソ儲けているし、クソ儲かっているディストリビューターもいるんだろう

    終始ディスりまくってますが、アムウェイのマルチビジネスは違法ではないし、ねずみ講には当たらないシステムにはなっています。

    洗剤の比較も「モノがいいから売れる」と言っていますが、流通しているモノはそんな変わらなくて、結局重要なのはマーケティングですよね。いいものが売れる時代はとうに終わっているわけで。

    今回参加したグループの人達もおそらくめちゃくちゃ儲けているグループで、勧誘から説明までシステマティックに機能している。「チームワーク」で儲けると言っていて、この人達は儲けることが可能なんだろうなと思った。

    誘われた若者たちもこのチームにジョインすればおこぼれを預かれるのかもしれない。オフィスの使用料は無料で、所有者も「広めたいからやっている」と言っていたけど、どういうグループの運用方法なのかは結局良くわからず。

    なんやかんや楽しかったです

    間近でマルチビジネスのさわりだけでも見れたので結構楽しかったです。紹介してくれたAさんありがとうございました。

    結構マルチ系の人にあって楽しめる要素を今回全て堪能した感じなので、結構満足しました。日曜にも別のマルチ女子と会う予定なのですが、そろそろスケジューリングも忙しくなってきたので打ち止めかな。 次は新興宗教あたりにチャレンジしてみたいんですが、かなりディープそう。

    違法ではないし、コミュ力あってめっちゃ儲けたい人はチャレンジしてみてください。僕はいいです。