初歩からの無職

ホームレス生活に移行するためにしたことを大体書く

    本記事とは全く関係なく耕うん機のパワーに感動する僕

    ホームレスをするにあたっては、家が持っている様々な住機能を外部にアウトソーシングする必要があるし、身に着けている衣類や荷物なんかを根本的に見直す必要がある。今回は僕がホームレス生活に移行するにあたって利用した製品やサービスをメモしていく。長文注意。

     シャワーはフィットネスジムを契約する

    ホームレス嫌いな人は単純に臭いのが嫌なだけ

    図書館を占拠するホームレスにブチ切れている話というものに現れているように、ホームレスに対する嫌悪感のほとんどは臭いから来るもので、例えば公共施設を占有しているってのは実際そこまで大した問題ではない。ガード下とか別に通れないわけじゃないし、公園に寝泊まりしたってまぁそんな邪魔ではないでしょ。極端な事言うと公園でキャッチボールしてるほうが怪我する可能性だって高いし、大声で騒ぎながらロケット花火つけてる連中のほうがまぁ実害あるよねっていう話。キャッチボールくらいええやんと思うけど。 というわけでホームレス的生活をするにあたって重要なのは毎日風呂に入れるということが絶対条件になってくる。こちとら毎日入っているにも関わらず臭くなるんだもん。最低1回はデッドラインである。

    銭湯の回数券よりもフィットネスジムを契約したほうが安い

    お風呂の外部サービスというと真っ先に思い浮かべるのが銭湯だ。東京都内の銭湯は一律460円、さらに共通の回数券を使うことで420円で入浴することができる。 でも銭湯にも問題があって、営業時間が決まっていることと、定休日があることだ。それに料金も1日1回420円、1ヶ月30日換算だと12,600円。時間が定められているし、毎日入ろうと思ったら定休日には別の銭湯に足を運ばなければならないことを考えると、ちょっと高い気がする。 そんなこともあって、風呂無しアパートの一人暮らしの定番はフィットネスジムの夜間会員になることだったりする。こちらのほうが月あたりの費用も安いし、基本的には年中無休のところも多い。銭湯より安くて便利で、さらには筋トレまで出来てしまうのだからちょっと魅力的ではある。絶対やらないけど。

    オススメはAnytimeFitness

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    AnytimeFitnessというアメリカ発のフランチャイズ式のフィットネスクラブが最近都内を中心に増え始めている。特徴として24時間営業マシントレーニングのみ会員は世界中のAnytimeFitnessを使えるというものがある。 要は通常のジムとは違い、スタッフは基本的にはトレーニングに関与しない。AnytimeFitnessはあくまでトレーニング器具と場所を提供するだけのものだ。入退室などに施設利用をセルフサービスにしてスタッフの人件費を削減する手法でこのジムは世界中にフランチャイズ展開している。 特に最近は東京都内で新店舗が脱糞しそうな勢いで増え続けている。この会員キーさえあれば、東京都内で風呂にはまず困らない。24時間いつでも出入り自由なのである。僕は恵比寿店で契約をしており、主に利用者が少なくなるであろう深夜帯に毎日利用しているが、とても快適だ。そして案の定、入会してから3週間、東京にいるときは毎日利用しているがトレーニング器具には指一本触れていない。三日坊主とは何だったのか。 このAnytimeFitnessは契約している店舗の料金が適用される。世界中で利用できるのだが、ざっくり言うと2ヶ月ごとに利用実態を調べて最も利用している店舗に自動的に契約が切り替わる。恵比寿店の場合、月額税込み9,000円程度と都内なので少し高めなのだが、それでも銭湯よりは安いのである。1日1回とすると300円、2回入ったら150円だ。都内のいたるところで使えることを考えるととてもコスパがいい。そしてなぜか地元福山にあるのがちょっと笑える。広島市にはないのに。。。

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    AnytimeFitness恵比寿店は男性用だとシャワールームが2部屋ある。そんなに混雑していないし便利。

    実を言うと家を持たない生活の可能性を考え始めたのはAnytimeFitnessの発見が発端である。もともと自転車通勤用のシャワーを探していたのだが、AnytimeFitnessなら世界中に自分の風呂を持つことができると思った。フィットネスジムとしてはトレーナーがいないというのは最大のデメリットだったが、どうせ自分はトレーニングしないのでこのプランはメリットしかなかったのである。

    「快眠」は最優先事項。アウトドアグッズで固める

    ホームレスはアウトドアのベテランである

    山とアウトドアとファッションをこよなく愛している山ガールですなんて自己紹介しようもんなら持っている全てのペグを貴様のケツにぶち込んでやると言わんばかりに、アウトドアとは突き詰めると死なないためのテクニックのことだと思う。あと、全くもって山ガールに罪はない。 ホームレスはこの激しい気候の中、一年を通して路上でアウトドア生活を送っている。全然大げさじゃなく、死んでいる人だっている。上の記事にあるような、夏に図書館に入り浸るのだって、彼らはそこにいないと死ぬ可能性があるからだ。 だから、外で寝るときはそのままアウトドアのテクニックが流用できる。ホームレスはダンボールなど入手が簡単な素材を活用しているが、路上生活に入る前に資金があるならば、資本投下すべきなのは寝るためのアウトドアグッズだと思う。とりあえず朝まで死ななければ、次の日も生きられるしね。 さらに言うと睡眠の質を確保するというのはとても大事だ。なぜなら、寝る場所は公園にしろ路上にしろ公共施設にしろ、どんなキレイ事を並べてもパブリックなスペースを占有することにほかならない。この辺の折り合いの付け方とか考え方は長くなるのでまた別記事で書きたいのだけれど、僕が言いたいのは遊牧民タイプのホームレスは極力迷惑のかからない時間帯を選んで睡眠をとっている。すなわち夜遅く、朝早くである。朝昼の時間帯まで占拠してしまうことは、まわりまわって自分自身が排除される危険性が高まるからだ。だから、ホームレスはできるだけ短い時間で質の高い睡眠を取らなければならない。少なくとも僕の路上生活ではそのことに全力をかけている。

    モンベルショップを活用しよう

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    恵比寿にはアウトドアメーカーのモンベルの直営店がある。海外メーカーのアウトドア用品が多い中で、国産メーカーのモンベルはそこそこの安い値段でそれなりのものを出していることに定評がある。何よりも、実物を実店舗で確認できることが大きなメリットだ。アウトドア用品はとにかく製品選びがシビアだ。ちょっとサイズが違うだけで、ザックにパッキングできず、結局使わないということも多い。実際僕も一回ネットで購入して失敗したのでそれ以来、店舗で実物を必ず確認してから買うようにしている。

    シュラフ(寝袋)はダウン素材のものを選ぶ

    シュラフはアウトドアの基本である。シュラフとは寝袋のことだ。シュラフといったほうがカッコイイので今日からあなたもシュラフと言って、相手がはてなな顔をしていたらしたり顔で「ああ、寝袋のことね」と言うことができる。 シュラフを選ぶ際に形状は封筒型かマミー型か、素材は化学繊維かダウンかという選択肢があるが、まずマミー型のダウンを購入しておけば問題ない。値段は張るが、-20度くらいまで耐えられる本格的なやつを一本購入しておくと安心だ。さらに化学繊維は手入れは楽なものの、重くてでかい。携行性が悪くなることは死活問題なので、軽くて小さくできることにお金は惜しむべきではない。 と言っておきながら、僕はイスカの封筒型のシュラフを使用していたりする。パッキングの際はそれなりに縮むし、最低温度10度前後なのでまだまだ温かくてそれなりに快適なのだが、越冬のためにシュラフを新調する必要があるだろう。ザックの容量も少しは確保したいし。まぁ、そこまでホームレスを続けているかどうかわからんのであるが。 というわけで、モンベルでいうとダウンハガーのあたりになるが、モンベルは-10度くらいの商品がほとんどなので、シュラフだけはイスカあたりのものを揃えてもいいかもしれない。本格的に路上で寝ようと思ったらシュラフにはお金をかけておこう。

    スリーピングマット&ピロー

    シュラフを買えば野宿は万全かと言えばそうでもない。結局のところ、体温を奪う一番の魔物は地面なのだ。もし山ガールが極寒の雪山で毛布一枚だけを握りしめていた場合、生存率が高いのは毛布をかぶって寝るのではなく、地面に毛布を敷いて寝ることだという。重ねて言うが、山ガールに罪はない。 シュラフがどれだけ高性能でも、地面に断熱性の高いものを挟まないとその性能が発揮できないということだ。ここには普通スリーピングマットを敷く。これも銀色の折りたたむやつとか色々あるが、今回はパッキングとか色々考えてモンベルのU.Lコンフォートシステムパッドを購入した。バルブを開けるとある程度までは自動で膨らみ、残りの空気を口で入れる事のできるものだ。マットとして申し分ないし、収納時は結構小さくできる。長さは90cmから180cmなどがあるが、今回は150cmのものを購入。これは枕としてU.L.コンフォートシステムピローを使おうと思ったので、ジョイントすると僕の低身長だとちょうどいいくらいになる。マット選びの時はジョイントするものを考えて快適さを損なわないギリギリのサイズにすることが大事だ。 エアパッドは破損こそ怖いが、それなりに収納性も高いし、快適に眠れるので概ね満足している。膨らますのも収納するのも思ったより時間もかからないしオススメできるし、不足があれば後からジョイントできるのも便利だ。

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    初日の方。現在はグラウンドシートを下に敷いている。

    ちなみにダンボールなどでも可。僕はザックで移動するので持ち運びの点から使ってないけど、枕にせよ他のもので代用すると安く抑えられる。

    もしものときのためのテントがあると便利

    パブリックなスペースを一時的に間借りさせてもらう身分として、テントはさすがにやり過ぎかもしれないが、これはもうもしものときのために使い慣れておいたほうがいい。どちらにしろ、地面にそのまま寝るのもテント張るのも場所を占有している事実には変わりはないので、テントは迅速に張って、迅速に片付ける必要がある。 路上生活に移ったときの睡眠の敵はかなり多い。光、音、寒さ、虫だ。都内の公園はとても明るくライトアップされていて、これは公園のベンチが仕切られているのと同様にホームレスにとって寝にくい環境を作っている意図もあるのだろう。音もそうだ。人が通る音、大声で話す音、車の音。意外と都会の夜は騒々しい。極めつけの虫であるが、外で寝ている限り肌をめった刺しにされる。もうすぐ10月になろうとしているが、蚊はまだまだ元気いっぱいだ。寒さは今はまだそれほど感じないものの、準備不足で冬を迎えた場合は確実に睡眠を阻害するだろう。 それら全てをある程度シャットアウトしてくれるのがテントだ。これは本当に素晴らしいアイテムだ。光も音も、虫も遮ってくれるし、暖かい。そしてパーティションを区切ることによって外と内があるのが、なんとも心理的余裕を作っている気がする。おそらく、住機能の最も大切な要素はパーティションなんだと思う。もちろん薄い布の壁だが、やはりあるのとないのとでは全く違う。

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    とりあえず地面にペグを打たずに組み立てている図

    テントは一人用の小さいもので、モンベルのムーンライトテント1型を選んだ。一人用であれば40リットルのザックにも入れることができる。ムーンライトはフレームがすべてひとつなぎになっているので、必ず完成形に組み立てることができる。迅速に立てることができるし、定番モデルだけあって撥水加工や通気性も十分だ。 別売りでグラウンドシートも販売されていたので、これも一応買った。これがあるとテントを設置しない時でもスリーピングマットを直接地面につけずに済むし色々と便利だ。 テントは目立つのでできるだけ使っていないが、おそらくこれから使わざるを得ない場面も出てくると思うし、旅先ではテントを張ることも多いので大いに役立っている。これがあれば日本中どこに行っても寝床には困らない気がする。

    荷物は極力捨てて、機能性のあるものだけを持つ

    ホームレスは究極のミニマリストである

    ホームレスを観察していると、特に定住していないタイプの遊牧民タイプのホームレスは見事にコンパクトに荷物をまとめていると感心する。世間がミニマリストだのまだ35年ローンで消耗してるの?だの言う前に彼らは究極のミニマリスト生活を送っているのである。 普通の人間がホームレス生活に移行する際に最も考えなければならないのは、実は家が持っていた荷物置き場という機能をどうアウトソースするかというところにあった。どこで寝るかとかどこでシャワーを浴びるかなんてのは探せば意外とすぐ見つかるものである。しかしながら、荷物に関してはもちろん全てを持ち運ぶわけにはいかない。 これをクリアする方法はそもそもの荷物を減らすこと、そして荷物を分散させることに尽きる。

    最も多い荷物は衣類

    そもそも、ギークハウスに住んでいた時点で僕の荷物はほとんどなかった。ギークハウスに住んでいる人は基本的に所有よりもシェアという志向だし、基本的に職場が変わったら移り住む人も多かったりする。荷物を極力持たないフットワークの軽さはシェアハウス住まいの人ならある程度はクリアしている。 それでもホームレスとなればまだまだ荷物は多い。僕の場合、具体的に言うと衣類が最もお荷物となっていた。僕みたいなファッションセンス皆無人間でも、着替えやら季節ごとの服、運動着などを含めるとそれなりの荷物になる。考えてみれば、上京するときもダンボール一つだけで完結したがそのほとんどは衣類だった。 衣類を持つ理由をゼロベースで考えなおさなければならない。服を複数枚持つ意味というのは、もちろんファッション的な問題もあるけれども、僕にとってはそれはまったくもって重要ではない。顔面クリーチャーが何着ようが別に何も変わらないからね。 となると、やはり洗濯乾燥のローテーションという意味合いが強い。そもそも服を複数持っているのは毎日着替えなければならないからだ。つまるところ、荷物を減らすということは洗濯乾燥をどう最小化するかということにかかっている。

    モンベルのジオラインはユニクロのAirisimよりも圧倒的に機能的

    1日1着で安定して衣服の所持数を減らすならば、毎日コインランドリーを使うっていうのも悪く無い。お金はかかるけど確実だ。 でも僕は極力お金は使いたくないので、洗濯は手洗いして、できるだけ自然乾燥させたい。 そうなると通常の衣類だと乾きが遅く非常に不安定なので、速乾性の高い衣服というのが一つの条件となってくる。というわけで、今回もアウトドア用品に頼る。特に登山用のウェアは汗の吸水性や速乾性が生死を分ける要素でもあるので非常に機能性が高くなっている。 登山したことないにも関わらず知ったような口をきくようであれだけど、特にモンベルでは衣服のレイヤリングというのが非常に重要な要素となっていて、ベースレイヤー(アンダーウェア)で汗を素早く吸水してミドルレイヤーで汗を発散させる。そのくせ保温はしっかりしようぜ的なアレだ。 速乾性とかというとユニクロのAirismも安くて評判がよくて、僕も普段着は全部Airismだった。モンベルでは薄手のアンダーウェアとしてジオラインのライトウェイトというのが用意されているが、Airismが1000円くらいなのに対してジオラインL.Wは3000円くらいする。 実際の着心地はというと、Airismは確かに着心地はだいぶ登山用のアンダーウェアに近い感じに仕上がっているけど、肝心の汗の発散に関してはかなりイマイチである。汗だくになると肌にベチャっと張り付いて嫌な感じだ。ところがモンベルのジオラインにはそれがない。性能が驚くほど違う。汗の吸水も抜群だし、乾きもめちゃくちゃに早い。これは普段着のアンダーウェアとしてもオススメできる。 ジオラインはTシャツとトランクスを購入する。クールメッシュというさらに速乾性が高いのがあるが、乳首丸見えなので色々危ない。

    Tシャツも速乾性最優先で考えてウィックロンクールを半袖2枚とロンTを1枚。パンツはもともと持っていたトレイルランニングショーツに加えて、ブリーズスパンショーツというのを買った。色々便利である。

    靴下は色々あったが、基本的に登山用は厚手のしっかりしたものが多い。普段使いメインなのでトラベル用のものを買った。

    速乾性を重視して全身の服を買っていると当然のことながら店員に話しかけられる。どのスポーツ店でもそうだが、モンベルの店員も基本的にはセールスに必要な知識は持っているので有益なアドバイスがもらえたりする。 店員「用途はなんですか?」 種「まぁアウトドアな感じすね…。」 余談だけど、野宿入門という本でもアウトドア用品店には野宿コーナーを作るべきと書いてあったが僕もそう思う。

    こうして全身モンベル人間になったわけだけど、次からは全身モンベルを着たおっさんとしてモンベルショップに入店しなければならないのでなかなか度胸が必要だ。むしろモンベル恵比寿店からスポンサー料をいただいてもいいくらいだと思う。連絡お待ちしております。

    洗濯乾燥は手洗いをして干す

    衣類を最低限に減らしたので毎日の洗濯が必須である。ここは海外ノマドで数年手洗い生活を続けている先輩から防水バッグで洗濯する方法がオススメと聞いた。

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    公園には水道があるので水源の確保は容易である。後は防水バッグの中でもみもみしまくるだけなので、洗濯は意外と楽ちんだし、洗濯した後は濡れた衣類を運ぶのにも役立つ。ひとつの防水バッグで色んなことができるのでとてもいいアイテムだ。 基本的に洗濯物は夏の間はTシャツ、アンダーウェアとパンツ、たまにズボンくらいなのだが、念のため洗濯ロープは持っておいたほうがいいと思う。

    ハンガーだが、S字フックは何にでも使えるナイスなやつで、バックパッカー御用達だったりするのだが、今回は衣類を出来るだけ大切に扱いたいので携行性の高いハンガーを購入することにする。 ドッペルギャンガーの折りたたみ式のアルミハンガーを使っている。普通のハンガーとくらべてちょっと重量感あるけど、折りたたむと手のひらサイズにまでコンパクトに収まるので、パッキングがしやすい。

    結局のところ、手洗いは脱水が不十分なのだが、晴れている日は朝干して午前中にはもう乾いていたりする。登山用ウェアの速乾性の高さは普通の衣類と一緒に干しているとよくわかるが、他の衣類がビッチョビチョのときにカラカラに乾いていたりするので結構感動する。速乾性を戦闘力で表すとチャパ王とフリーザくらい違う。

    脱水というテクノロジー

    手洗い方式は速乾性の高い衣類に絞ることでかなり機能することが分かった。ただ、幸か不幸か、ホームレス生活をスタートした時期は東京では晴れの日が珍しいくらいの雨続きだった。 もちろん、ウェアは日が出ていなくても乾かすことは十分に可能だが、問題は干す場所がなかったことだ。洗濯ローテーションを考えると日中に乾かす必要があるが、日中は作業をしているので基本的にギークオフィスにいることになる。 部屋干しでも乾くのだが問題点がある。シェアスペースなので部屋干しは適切ではないというマナー的なこともあるが、クリティカルだったのが手絞りでは脱水しきれていないので水が垂れるということだ。すなわち、雨の日に乾かすためには「雨が当たらない場所かつ、水が垂れてもOKな場所」ということになる。そんな場所はなかなか見つからない。 というわけで、雨の日は仕方ないのでコインランドリーを利用するか、となったのだが、手絞りの洗濯物を乾燥機に突っ込んでも全然乾かないことが判明した。洗濯における脱水というのは僕が考えている以上に非常に重要なフェーズだったのである。 そしてこれはなかなか代替不可能なテクノロジーということに気がつく。今の脱水機に学べば、例えば野菜の水切りに使う野菜スピナーなども使えそうだが、結局のところ脱水に必要な遠心力を得るためにはできるかぎり大きく回転させる必要があるので、荷物を小さく軽くするという志向とは真逆になってしまう。 あるいは手洗い時のテクニックとして、バスタオルで挟んでポンポン叩くという手があるが、結局のところ、バスタオルがその分荷物として増えてしまうし、バスタオルも結局は乾燥させる必要があるのでそれは無意味だ。 洗濯機が日本社会に登場したときに冷蔵庫や白黒テレビとともに三種の神器と呼ばれていたが、ローラー式脱水を経て今の形に落ち着く洗濯機の脱水機能はまさしく人類の文化レベルを大いに躍進させたことを僕は痛感している。僕の洗濯物はお天道様のご機嫌次第だが、洗濯機と干すスペースを持つ現代人はある程度自然への依存度を下げることができている。神は死んだ。洗濯機が彼を殺したのだ。

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    恵比寿では数少ないコインランドリー。左は乾燥機4つのうち2つが故障していたり。

    今のところ、色々試して入るがなかなかベストエフォートに至っている気がしない。セームタオルを導入すればいいのか、色々考えるが、現状だと夜に洗って、寝てる間に公園とかで干しておいて重力である程度脱水しておき、翌日にコインランドリーで乾かしている。恵比寿にはなかなかコインランドリーが少ないので大変だけど。

    インターネットと作業場所

    東京にはWifi付の作業スポットがたくさんある

    家は別に無くてもいいがインターネットがないと死んでしまう。仕事も趣味もネットがないとできないし、もはや血管と同じくらいネット回線は重要だ。テザリングでもできないことはないけど、通信料を考えるとWifiと長時間作業できる場所というのが重要だ。 そういう意味では東京はコワーキングオフィスはたくさんあるし、カフェもそうだ。

    ギークオフィス恵比寿

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    画像はギークオフィスより拝借。

    今メインで作業しているのはギークハウス系のコワーキングスペースのギークオフィス恵比寿だ。今回のホームレス計画の要と言っていい。コワーキングスペースとして運用しているというよりかは、ギークオフィスのコミュニティというものを重視しているので、招待者責任性を取っているので誰でも入れるわけではないが、月会費は14,500円のみだ。起業家達やフリーランスに混じってホームレスがもくもく作業している。(利用したい or 気になる人は僕まで) ギークオフィスは24時間利用可能フリードリンクフリーWifiだ。小さめだが会員にはロッカーが一つ与えられる。そして、ロッカー外のものは基本的にはシェアをするという前提で、持ち主が使っていない時なら別の会員が使っても良いということになっている。また、会員はオフィスでのイベント開催も可能で、参加費を取ってもいい。 僕はもともとデスクトップのWindowsマシンとモニターをシェアしていたが、今回は一眼レフカメラとレンズ3本、DSLR用のモニタとハンディ・レコーダー、トラベル三脚とビデオ三脚、ビデオカード等、映像関連機器をギークオフィスでシェアさせてもらうことにした。割りと安めのものばかりだけど、機材一式だと結構なお値段がする。 使う人いるのって感じだけど、イベントが結構開かれるので記録用や配信用に使っていただければ幸い。今回結構凝ってるのは、MacbookProにデジタル一眼レフのライブビューをビデオカード経由で入力すれば、高性能カメラによるリアルタイム配信なんかもできちゃう。ただし、CanonのエントリーモデルなのでライブビューのAFはすこぶる遅いけど。 映像機器についてはまた別の機会に書くことにしよう。

    Wimaxで外でもインターネット

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    ギガ放題で外でも容量無制限!(ただし3GBに限る)

    とにかく今はネットができるということで一日のほとんどをギークオフィスで過ごすことが多いのだけど、やっぱりヘビーに使いすぎるのもアレなので、理想としては他にもインターネットができればいいなと考えていた。 とりあえず、現在はTry Wimaxで2週間ほどWimaxの使い心地を試している。ギークハウス大船渡に行った際はさすがに繋がらないことが多かったけど、都内は電波状況もいいし、これさえあればどこでもインターネットが可能だ。 HWD15はWimax2+に加えてノンリミットモードとかも備えてあるので結構よさげ。クレードル接続で優先接続しちゃえば、屋外配信もそれなりに安定するかもしれない。つらそうだけど。 結構契約してもいいかな―と思っていたりする。なんだかんだ出先で何もできないっていうことは多いし、Wimaxがあったらいよいよ一日中外にいることも可能になりそうだ。

    放送大学 東京渋谷学習センター

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    僕は放送大学生でもあるので、所属する渋谷学習センターを利用することができる。あんまり利用はしてないのだけれど、やはり勉強する環境ということですごく静かだし作業も捗りそうだ。 インターネットはMacアドレスを受付に手書きで半期ごとに出さなければならないというアナログっぷりでいらつくけど、とりあえず出しちゃえば半期は繋がる。場所も渋谷駅から徒歩数分の場所なので渋谷で静かに過ごせる場所があるというだけでも結構良かったりする。 ネックは朝9時から夜18時と利用時間が結構シビアなことだ。日中に気分を変えて集中したいときは利用するかなーという感じ。放送大学は学習センターが利用できるし、様々な学割サービスを享受できるのでオススメだ。しかも教員の質はめちゃくちゃ高い。

     荷物を分散させる

    断捨離&シェアを断行しても残ったもの

    上記の通り、荷物は基本的にいるものだけを残して捨てる。機材など高価で利用価値が高いものはシェアをして利用する。 それでもモノへの執着というものはなかなか拭いきれない。特にiPhoneの箱とかいずれ売却するものの箱は捨ててしまうと利益が減ってしまうし、スペースもとるので結構処分に困ったりする。

    トランクルーム・キュラーズ

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    となると、荷物をどこか別の場所に分散させる必要がある。荷物を置くだけなら、トランクルームを借りるということも選択肢の一つだけど、これは通常の不動産と同じく審査があるし、恵比寿周辺は特に人気でほとんど空きがない。 色々ググるとキュラーズという審査なしで即日レンタル可能なトランクルームがあるようだ。恵比寿からだと渋谷富ケ谷店が最も近い。この距離なら自転車で移動可能だし借りてみることにした。 キュラーズも24時間利用可能で、セキュリティカードで入室する。エレベーターもカードキー認証で、自分の階にしかい行けず、それぞれのロッカーやクローゼットタイプの収納スペースには南京錠がかけられている。利用者は様々だけど、代々木公園のイベントや撮影用の物置として利用している人も多いようだ。

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    キュラーズ内部。空調も気を使っている。

    僕は最小サイズのBox-1を契約した。思ったより色々入る。40リットルのザックも入るので色々と便利。 最近は渋谷区スポーツセンターにテニスをしに行くことも多いので、ちょうど恵比寿とスポーツセンターの間のこのロッカーにテニスラケットを置いている。 通常の月額料金は4,000円だが、キャンペーン料金で3,200円だ。若干割高だが背に腹は変えられない。月単位の契約なので、また良い収納スペースがあれば解約も簡単だ。

    無価値な荷物はパニアバッグへ

    僕は移動の足としてGiantのEscapeAirを持っているのだが、これは本当に持っていてよかった。移動が何より楽ちんだし、今はパニアバッグをリアキャリアにつけていて左右で合計40リットルの収納スペースとなっている。

    オルトリーブのパニアバッグは防水性が高くて人気が高い。が、もちろんバッグに防犯性能などは皆無なので中身はもちろん取られても全然痛くない荷物を突っ込んでいる。運動靴とかね。 むしろ盗まれて困るのはパニアバッグ本体だったりするので一応苦し紛れに南京錠をつけて外せないようにしている。まぁお気軽には盗めないようにするしかない。

    まとめ

    24時間利用可能施設が便利

    こうして見返してみると、利用するサービスは24時間利用可能なものが多いことに気づく。ホームレス的生活を送るにあたって、昼間の人達にいかに迷惑をかけないように住み分けるかということが重要なので必然的にサービスも24時間のものが好まれる。 現在の生活リズムを言うと、基本的には

    1. 朝5~6時くらいに起きてオフィスに撤収
    2. 夜0時くらいまでオフィスで色々作業をする
    3. AnytimeFitnessでシャワーを浴びる
    4. 朝5~6時まで公園などで寝る

    の繰り返しだ。観測されない限りは存在しないということを考えての行動パターンだったが、今のところは特に問題は起こっていない。

    ホームレスはシームレス

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    ギークハウスつくばにお邪魔したとき。管理人に許可を聞く前にペグを打ちまくっていた。

    書いてある通り、ネット環境があるので作業もできるし、シャワーは24時間いつでも浴びることができるし、何より混雑した電車で通勤ということから解放されているので思ったより快適だ。 睡眠に関してもそれなりのアウトドアグッズで固めているのでそこそこ快適である。 一番感じているメリットは旅行と普段の生活との境目が無くなった。今回キャンプを何回か挟んだのだが、そりゃ普段から野宿しているので変わらない。キャンプでなくとも、必要な物はザックに入っているのでいつでも出発できるし、旅先でもやることは一緒だ。 ホームレス生活はシームレスな生活でもあった。

    家はなんだかんだ優秀だ

    外で寝てみるとやはり家はなんだかんだ優秀なことがわかる。色々なものがオールインワンでパッケージされているし、外敵からは襲われにくいし、それなりに静かに過ごせるし、雨にも濡れない。

    週末だけでもホームレス生活をしてみるといいかも

    よくトレッキングとか山登りとかは装備への投資がそのまま災害対策になるというが、同じことが今回のホームレス生活でも言える。というか毎日が被災しているようなものだからね。 これは結構まじめに、別に1日だけでもいいから外で寝るということを体験しておいたほうがいいかもしれない。やはり実際にやってみないとわからないことは多い。実際の災害では僕なんかの生活なんか比にならないくらい大変だろうから、せめて外で寝るのくらいは慣れておいたほうがいい。 今回はホームレス生活に移行するにあたってやったことやモノの紹介だけど、まだまだ気づきや考えていることもあるので、また書くことにする。