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マンガ家が自己出版で食っていくにはどうすればいい? 鈴木みそさん (りんご革命塾)

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どうもたねのぶです。今回のりんご塾はKindleで1000万の利益を上げた鈴木みそさんが対談ゲストです。漫画家・イラストレーター・出版関係の方々が今回も多く集まりました。ジョブズをテーマにすると回ごとに色々な業界の方が集まるのが面白いですね。

今回も聞かせていただいたお話を元に、色々調べたことやらを書かせていただきます。

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鈴木みそさんとは

鈴木みそさんはKindleダイレクトパブリッシングで1000万を稼いだ漫画家として、漫画愛好家や出版業界のみならずネット界隈でも大変有名な方です。公式サイトで販売数や売上などを詳細に公表しており、まさにKDPのパイオニア的存在です。そういった意味では漫画家という枠を超えた、編集やマーケティングまで全て一人で行っている「一人出版社」のような方です。

マンガ業界の昨今

単行本という販売手段

漫画家の収益はコミック誌への原稿料と単行本の売上の2本柱だそうです。そして、インターネット・電子書籍の普及で大きく低迷しているのは実はコミック誌の方で、単行本の売上は結構横ばいだそうで。「単行本」って実はマンガ業界にとっては比較的新しい売り方と仰っていて、調べてみると昔は漫画雑誌がメインであり、よほどの人気作品でないと単行本化されることはなく、今のように単行本化前提のモデルは第一次オイルショック以降に定着したものです。

1995年以後の世界の変化とマンガ

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少し古い統計(引用:全国出版協会)ですが、マンガの売上がピークを迎えた1995年以後、コミック誌の売上は急速に下降し、2005年にはついに単行本の売上を下回るものとなりました。ここは非常に重要なポイントで、1995年はインターネットの普及による急速な情報革命のはじまりの年です(前回のりんご革命塾の記事を参照)。翌年にはジョブズがAppleに復帰し、iMac、iPhone,そしてiTunesストアなど、世の中の仕組みを大きく変革していく起点の年です。

ギャンブル化するマンガ出版

売れ行きは下がっているマンガの出版ですが、出版点数は増えています。出版社はコミック誌を赤字で出して大ヒットする単行本を一発当てて利益を出すという仕組みになってきており、まさにギャンブル化と言っていいビジネスモデルになっています。漫画家にスポットを当てると、上位2%の漫画家がマンガ全体の売上の3分の2を占めるなど、インターネット以後、漫画家も御多分にもれず貧富の差は拡大していると言っていいようです。

電子書籍はブルーオーシャンか

ecomic_sijyou_0Kindle上陸前のデータ(引用:電子コミックビジネス調査報告書2012 )を見ると、電子書籍市場のほとんどはコミックが牽引していますが、紙の単行本販売額と比べると桁がひとつ足りないレベルです。l_rmfig165-1 Kindle上陸後から将来の見立てに関するグラフ(引用:矢野経済研究所)ですが、2017年になっても1000億に届かない予測が立っています。紙の単行本の売上は上昇こそしないものの、ほぼ横ばいで推移していることから見ても、電子コミックが紙の単行本を上回ることはまだまだ遠い未来の話のようです。急速に成長している電子書籍市場ですが、じゃあ紙の本はなくなるのかというとそんなことはないでしょってことですね。

カニバリズム論は本当か?

重要なのはマンガ雑誌の売上が急落したのはインターネットの登場による販売チャンネルの変化の問題であって、そもそも紙のコミックスと電子コミックは対立していないんじゃないかという話です。電子出版は紙の出版を食ういういわゆるカニバリズム論がありますが、アメリカの統計のレポートから見ても共食いして倒れるといったものではなく、かつてマンガ業界が単行本というマネタイズを発見したように、出版業界を牽引するものであるはずです。「デジタルが紙を食う」という構図を出版社はひっきりなしに訴えていますが、実のところギャンブル方式を取っている出版社が勝手に腐っていってるだけで、出版業界自体はインターネットとの親和性も高く成長産業になり得るのだと思います。

セルフパブリッシングで食っていくには

漫画家全員がグランドラインを目指す時代は終わった

上記の通り、電子コミックは急成長を続けているものの、単純に紙が売れなくなったから電子に移れば食える、という話ではないようです。そもそも、漫画家全員がコミック誌で一発当てて、全国津々浦々の書店でのコミックスの売上やメディアミックスで億万長者を目指すこと自体が土台無理な話です。コミック誌―単行本構造は既に崩壊していて、今では多様なチャンネルに分かれていく時代なのだと思います。

作家と読者がともに生きていくストーリーを作る

セルフパブリッシングで食っていくというのは、つまり自分ひとりで出版社がやっていたことをやるということでもあります。鈴木みそさんが面白いのは常に自分の読者はどのくらいかというのを意識していて、そのためのマーケティングなどを常に考えているところです。

作品をただ作って見せたいのであれば大手と同じで、一人の漫画家が出したストーリーをマンガと一緒に楽しめるようにすることがセルフパブリッシング成功の鍵ということを仰っていました。「小説家になろう」というアマチュアの小説投稿サイトの書籍化がベストセラーを出しているのは、「あの小説を書いている人のファン」がいて、本を「宝物」として買っているからという分析をしています。電子書籍そのものを「ただ売る」のでは決して売れないというわけです。

したがって、電子書籍のセルフパブリッシングは、いかに自分のファンを創りだして自分をブランディングしていくかということに帰結します。全国の書店に置いてもらうには1万部以上が見込めるものでないと厳しいそうですが、電子書籍ならば1000人がぎりぎり食えると言えるラインだそうです。

読者と生きるために

鋭い分析に基づいたマーケティングを行っているみそさんですが、KDPで成功したのはそれが「村作り」につながっているからだと思います。0円と1円の差はとてつもなく広く、買うというハードルはとても高いのですが、読者とのSNSを通じたコツコツとしたやりとり、特にTwitterのような一対一のメディアを重視して、最近ではLine@も始めています。「ドブ板選挙」のような活動が大事と仰っていましたが、確かに有名人にリプライを返してもらえると一気に距離が縮まったように感じますね。

りんご塾で様々な業界の方のお話を聞きましたが、やはりジョブズ以後は「コミュニティ」をどう作るかがひとつのキーワードになっているんだと思います。

余談 今回の記事を書くにあたって

僕はベースとなる知識に乏しいので、毎回りんご塾を聞いた後、ネットや資料で色々勉強して記事にまとめるのが常なのですが、今回はネット上の情報に加えて鈴木みそさん自身がナナのリテラシーという電子書籍の出版を元にしたマンガを出されていたので「そっち読んだほうが絶対早いじゃん」ということでKindleで購入してしまいました。内容も非常に分かりやすいですし、やはりマンガなので読んでて面白いのでスラスラ入ってきます。すっかりやられてしまいました。2巻はゲーム業界の話も絡めてきます。オススメ!

あとよくよく探してみたらギークハウス元住吉の本棚に限界集落温泉もあったんですよ!これが紙の本のメリットですよね。これも読ませていただきます!

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